交通事故発生の主要因
下図のように、(1)認知・反応時間のばらつきの大きさ、または突発的な遅延、(2)障害物までの距離(時間)の短さ(余裕の無さ)とによって交通事故は発生します。
自動車事故発生に関する運転者要因 |
認知反応時間のばらつき、突発的な遅延と事故
初心者を除いて一般的に自動車を運転している人は、無意識のうちに運転操作を行い、操作そのものは反射的になされています。従って積雪道路や凍結道路などの日頃経験する事のない道路状況での事故を除けば、ほとんどの事故が方向制御の誤りというより、状況認知の遅れによって発生したといえるでしょう。すなわち、ブレーキを踏んだが認知・反応時間の遅れによってブレーキを踏むタイミングに遅れが生じ、その結果停止以前に衝突したか、あるいは状況認知の遅れにより時間的な余裕がなかったために確認不十分なまま制御動作を行った結果、たとえばブレーキペダルを踏むつもりでアクセルペダルを踏んだというようなことによって発生していると考えられます。このように、状況の認知や反応の遅れによって事故が発生したと考えられます。
ところで、認知反応の遅れが稀に発生する場合、それは偶然に発生したと多くの人は思いがちです。従ってヒヤリを経験するこがあっても、それは自分に責任があって発生したとは考えないようです。このようなことから、ヒアリがあっても多くの人はそれまでの運転の仕方を変えることはしないようです。同一の人が繰り返し事故を起こす事が多いのもそのためと思われます。
認知・反応時間の変動(標準偏差)の大きさによって事故者と無事故者とをかなり高い確率で判別できたので、多くの事故が、この認知反応時間の変動によって発生していると考えられます。事故傾向者には、眼を前方に向けていても(わき見をしていなくとも)認知が遅れる時間があると考えらえれます。
運転操作における時間的な余裕(車間時間)の重要性
人が状況を認知し、自動車の停止動作を行うまでには、どのような努力をしてもある値以上の時間を必要とします。衝突を回避できるためには運転者が状況を認知し、停止操作を行うまでに要する時間と運転者が停止操作を行い、自動車が停止するまでの時間を加算した時間が、進行方向にある物体(障害物や人)との間に保持されていなければなりません。仮に認知・反応時間の突発的な遅延を吸収できるだけの車間時間(車頭時間)を保持して走行していれば、衝突などの事故は発生しないといえます。従って、事故は自動車の運転における各運転者の突発的な認知・反応の遅延時間の大きさと車間時間の小ささとの関係において発生するといえます。
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